エンターテインメント

甲子園球場ライブ『安全地帯 IN 甲子園球場 “さよならゲーム”』

2019.11.18更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士・濵門俊也(はまかどとしや)です。

去る11月16日,初の甲子園球場ライブ『安全地帯 IN 甲子園球場 “さよならゲーム”』に行ってきました(高校球児の聖地・甲子園球場にテンションも上がりました。)。
1985年8月の横浜スタジアム公演(DVDで何度も視ました。)以来34年ぶりのスタジアムライブで3万8000人を動員したそうです(この3万8000分の1になれたことを光栄に思います。)。
脳内出血によるリハビリ中のドラムス・田中裕二さんはいませんでしたが(もちろん,魂はドラムスティックに投影されていました。),アンコールを含む全22曲(SEのEndlessを含めると24曲),2時間のステージを満喫しました。

開催時間はおして15時20分すぎにスタート。オープニングアクトは「We’re Alive」。ライブの鉄板曲です。“見渡す限りの甲子園球場に”とお約束の歌詞を替えて歌ってくれました。その後「情熱」「銀色のピストル」と続き,「1991年からの警告」へ(最近「1991年の警告」を歌われるライブが多い気がしますが気のせいでしょうか。)。甲子園球場の熱気が高まっていきました。「熱視線」では,曲に合わせてステージ前方から火柱が上がる演出もありました。

前半のクライマックスは「恋の予感」「碧い瞳のエリス」「Friend」の怒涛の三連打。前半戦でほぼ勝利は確定です。

ワタユタケさんと六土さんによるインストゥルメンタル「夕暮れ」を挟み,衣装替えした玉置さんが再登場しての後半戦は,「夢のつづき」から(「夢のつづき」を最近歌ってくださるのが嬉しいです。)。ようやく日が暮れて,いい感じのシチュエーションとも絶妙にシンクロしての「あなたに」。お待ちかねの「ワインレッドの心」,「蒼いバラ」と畳み掛けます(今回の「蒼いバラ」はぐっと来ましたね。)。
「真夜中すぎの恋」では,ダンサブルなビートと激しいスクラッチで最高潮へ(「真夜中すぎの恋」は2010ver.で大きく変貌を遂げました。実にいい。)。曲間では玉置さんがギターを抱えたままステージから降りて,阪神甲子園球場の外野センターからライト,一塁側,ホームベース,三塁側,レフトと広大なグランドの外周を走り抜けるというサプライズが。場内はさらに熱狂し,ロングランニングを終えた玉置さんがステージ上に戻ってくると,「じれったい」へと突入。甲子園球場を怒涛のピークタイムへと誘いました。

本編のクライマックスは,ドラムスの田中さんの代役を務めたホセ・コロンさんを含むメンバー全員の紹介を挟んで,「悲しみにさよなら」へ。すっかり日が暮れてきた中で奏でられたラストの「ひとりぼっちのエール」では,曲の後半に観衆が携帯電話の画面をライト代わりに掲げました。期せずして,甲子園全体が光の渦に覆われていくようなフィナーレを演出することとなりました。

そして,アンコール前にはステージ上のスクリーンに入場時に配られていたジェット風船を膨らませてご準備くださいという指示が映され,場内が白いジェット風船で鮮やかに埋め尽くされると,「I Love Youからはじめよう」が始まるとともに一斉に風船が宙に舞い,甲子園ならではの演出で再び盛り上がりをみせ,後半にはカラフルな花吹雪も舞っての大団円へ。
続くアンコール2曲目の「あの頃へ」では,スクリーンにメンバーの出身地である北海道を連想させる雪山の映像が映され,エンディングはステージ上に白い雪が美しく舞い始め,SEの「Endless」が流れます。
“さよならゲーム”の名にふさわしい劇的で大興奮のライブでした。日曜は東京で私を待っている人らがいたので,大阪には滞在せず,帰京しました。

投稿者: 弁護士濵門俊也

ありがとう!ゆで先生ーー『キン肉マン』第283話&第284話

2019.05.20更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

現在『週プレNEWS』Webコミック配信で絶賛連載中のゆでたまご先生の漫画『キン肉マン』ですが,本日5月20日に発売された週刊プレイボーイ(集英社)2019年6月3日号では,『キン肉マン』の40周年を記念した特集が50ページにわたって展開されています。

 

表紙にはキン肉マンとキン肉マンソルジャー(もちろん「アタル兄さん」のほうです。「真ソル」こと「ソルジャーマン」ではありません。ソルジャーマンのコミュニケーション能力が非常に優れていることは,「ギ…ゲ…ゴ…」の台詞でファンにはよく知られています。「ギ…ゲ…ゴ…」であれだけの情報をテリーマンに伝えたわけですから,凄い能力です。)が登場。誌面には連載中の『キン肉マン』第284話が先行掲載されており,本日Webで公開された第283話の続きを読むことができます。
毎週月曜日の配信を週初めの密かな楽しみにしている私にとって,今日は「肉祭」となりました。週刊プレイボーイならば「女房を質に入れ」なくても買えますので,第283話を読み終わった後,事務所近くの書店に走りました。

 

ネタバレしないように感想を述べたいと思いますが,アリステラの小ボス感が一気に増した点が気になりました。また,アタル兄さんの瞳が美しすぎました。慈悲に溢れています。今回の2話分は嶋田先生の台詞が刺さりましたし,中井先生の作画が綺麗でした。チープな表現ですが,本当に感動しました。今後のリアル“マッスルブラザース“の活躍が気になるところです。

 

先ほど『キン肉マン』連載40周年に触れましたが,たしかに1979年(昭和54年)は令和の時代となった現在にも通じるカルチャーが花開いた年でした。南信長さんの著書『1979年の奇跡 ガンダム,YMO,村上春樹』(文春新書)にも詳しいところです。私もリアルタイムで少年時代をすごしました。GW中,幼馴染みと話した際,『キン肉マン』が現在も連載していることを知らなかったので,教えてあげました。
ちなみに,その幼馴染みと話していると,たまたま「日本人最強のレスラーは誰か?」との話題になりました。私は「ジャンボ鶴田」推しなのですが,その幼馴染みは「武藤敬司」推しでした。ジュニアヘビー級に限れば「初代タイガーマスク(佐山聡)」で争いはありません。

投稿者: 弁護士濵門俊也

「ぎぼむす」最終回!愛をありがとう!

2018.09.19更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

女優の綾瀬はるかさんが主演するTBSの連続ドラマ「義母と娘のブルース」(火曜午後10時)の最終回となる第10話が昨日18日に放送されました。麦田(佐藤健さん)の告白の行方から始まり,みゆきちゃん(上白石萌歌さん)の受験等が描かれ,義母と娘の10年間の物語が完結しました。私は,開始早々涙を流し,クライマックスでは涙が止まりませんでした。今クールのドラマの中で一番はまったものの一つです(今クールは,テレビ朝日のナイトドラマ「dele(ディーリー)」やフジテレビの月9ドラマ「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」など秀作・傑作が数多くありました。)。

ドラマは桜沢鈴さんの同名マンガが原作でした(4コママンガなのですが,ストーリー展開と台詞のセンスが抜群です。宣伝では「ちょっぴり泣ける」とあるのですが,私は号泣しました。)。
一流企業のバリバリのキャリアウーマンの亜希子さんが,8歳の娘をもつ良一(竹野内豊さん)から結婚を申し込まれるところから始まる物語。亜希子さんは,良一の娘・みゆきちゃん(横溝菜帆さん)の母親になろうと,仕事を辞めて家事や育児に奮闘する姿を描いた作品です。
脚本が森下佳子さんであり,綾瀬さんとは過去にもたくさん名作を生み出した最強タッグですから,間違いないと確信し,第1話から楽しみに視聴しておりました。
名言が多かったことも特徴ですね。
何でもそつなくこなす亜希子さんが馬鹿と言われるシーンが2つあります。
一つ目は第6話で麻生祐未さん演じる下山のおばちゃんの台詞です。

 

バカなのかい!キャリアウーマンってのは!
悲しむことだよ!母親はあんたしかいないんだよ!

 

亜希子さんもみゆきちゃんも良一さんの葬儀で涙すら流さないことに違和感を覚えた下山のおばちゃんが亜希子さんを叱責したシーンです。私も本年5月に妻を亡くし,葬儀・告別式等の喪主を務めるましたが,亜希子さんとみゆきちゃんの態度には違和感をもちましたので,「よくぞ言ってくれました」と泣きながら視聴しました。

二つ目は最終回のみゆきちゃんの台詞です。

 

バカなんじゃないの!そういうのは世間では愛っていうんだよ!
やりたいことやってよ,おかあさん!おかあさんがすごいねって言われたら,みゆき自身もすごいねって言われたと思うんだよ!

 

記事を書きながら泣けてきます。10年間,義母と娘が紡いだ「アイノカタチ」の集大成ともいえる台詞です。

「別れなんて来ないほうがいいに決まってる。だけど……別れたからこそ,めぐりあえる人もいる。曲がらなかったはずの曲がり角を曲がると,歩かなかったはずの道がある。そこにはなかったはずの明日がある。その先には出会わなかったはずの小さな奇跡が」

劇中最後のシーンにみゆきちゃんの独白が流れます。「小さな奇跡」を探す行為は「少女パレアナ」の「幸せを探すゲーム(よかった探し)」に通じますし,この独白そのものは「赤毛のアン」のラストシーンを彷彿とさせます。

思いは尽きませんが,本当にいいものを見させていただきました。やはりドラマは脚本と役者ですね。

投稿者: 弁護士濵門俊也

ありがとう!「アンナチュラル」

2018.03.19更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

『アンナチュラル』(TBS系)が,3月16日の放送で最終回を迎えてしまいました。本当に「クソおもしろい」ドラマでした。脚本家が野木亜紀子さんでしたので,間違いないとは思っていましたが,今回の脚本はこれまでとは違いオリジナルだったのでどうだろうとも思っていました。しかし,それは杞憂に終わりました。出演者のことば一つひとつに味わいがありましたし,制作スタッフら作り手の方たちの本作に込めた愛情を感じました。最終話の伏線回収の手際のよさには本当に唸りました。快感すら覚えました。「良いものを見せていただき,ありがとうございました」と素直にいいたいです。

 

最終話は,中堂系(井浦新さん)の死んだ恋人・糀谷夕希子(橋本真実さん)を含めた26人の連続殺人事件の帰趨が描かれました。26件全件とはいかないまでも数件は殺人罪で起訴されたと思います(劇中には夕希子の事件の追起訴のシーンが描かれていました。)。
被告人・高瀬(尾上寛之さん)が真犯人だと分かっていながらも殺人を立証できる証拠がなく(高瀬は殺人については否認していました。),中堂が宍戸理一(北村有起哉さん)を襲い無理やり証拠を掴もうと奔走したりもしました。
そんななか,高瀬による26人の殺人事件を立証できる証拠の存在に気付くきっかけを作ったのが,東海林夕子(市川実日子さん)のひと言でした。

 

「ウォーキングできないデッドの国かぁ…」

 

この東海林の呟きから,夕希子の遺体がアメリカで埋葬されており,まだ解剖することができるということに気付きます。亡くなった当時に比べれば,8年後の進化した技術により,新しい手がかりが見つかる可能性が見えました。夕希子の再解剖が実施され,見事,検出されたDNA型が被告人・高瀬と一致しました。裁判員裁判の公判に証人として出廷した三澄ミコト(石原さとみさんが演じました。雨宮美琴がもともとの名前でしたが,「ミコト」となったことによって,「命/御言」という意味のふくらみができたように思います。毎回のミコトの言葉には力がありました。)が,高瀬を挑発し,殺人を自白させるに至った場面は圧巻でした。

 

物語内では,ムードメーカー的な存在を担っている東海林(劇中,一番視聴者に近い立ち位置のキャラクターだったと思います。)にこのような役割をもってくるという,脚本家・野木さんのキャラクターへの愛情深さが見えました。あと個人的には,坂本を演じた飯尾和樹さんもいい味出しているなとみていました(中堂を「スナフキン」と規定した場面でこれまでのムーミン好きの伏線が回収されました。)。

 

そして,何といっても劇中を盛り上げたのは,米津玄師さんの主題歌「Lemon」です。「中堂と有希子の愛のテーマ」と言ってよいでしょう。さっそく発売日前日にCD+DVD版を購入しました(米津さんも若いのに言葉遣いが丁寧かつ繊細です。意味ない言葉をリフレインすることもありませんし,微妙な転調も唸ります。言葉の魔術師という意味で脚本家・野木さんとも相通じるところがあります。)。

 

最終回の最後の場面,「Their journy will continue.」という意味深なメッセージもすでにネット上等で話題になっています。「journey」の「e」がないわけですから「アンナチュラル」です。

投稿者: 弁護士濵門俊也

「愛を『安全地帯』のために」--安全地帯ALL TIME BEST「35」~35th Anniversary Tour 2017~

2017.11.25更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

昨日(平成29年11月24日),デビュー35周年を迎えた日本を代表する男性5人組ロックバンド・安全地帯の『ALL TIME BEST「35」~35th Anniversary Tour 2017~』の日本武道館公演に妻と一緒に行ってきました。
同所での公演は,10年に活動を再開させて以来7年ぶりのことです(早速帰宅後,妻とDVDを鑑賞しました。)。
ボーカルの玉置浩二(以下「玉置さん」といいます。)は,オープニングソング代表曲「ワインレッドの心」(昭和58年,1983年)の歌詞♪♪心をまだもてあましているのさ この夜も…を♪♪-武道館の夜に…と変えて歌い,「じれったい」(昭和62年,1987年)の歌詞も「武道館の夜を」と変えて歌ってくれ,私たち観客1万2500人を喜ばせました。
2夜連続公演の最終日は,MCなしのノンストップで24曲を情感たっぷりに熱唱。圧巻のパフォーマンスでした。
個人的には,『情熱』→田中裕二さん(以下「田中さん」といいます。)のドラムソロ→玉置さんの不思議なダンスからの『真夜中すぎの恋』の流れがよかったです(思いっきり♪♪真夜中すぎの~こ~いだ~から~♪♪と歌いました。)。また,久しぶりに『夢のつづき』のフルバージョンを聞けたのもよかったです。

 

私にとっては武道館デビューとなり,30年来の念願が叶いました。ちなみに,妻はあの伝説の武道館コンサート『ENDLESS (LIVE 1985)』(昭和60年,1985年2月12・13日)に友人と行ったらしく今回の武道館は2回目となります(初めて妻からその話を聞いた時,熊本の田舎に住んでいた少年に安全地帯が好きだという友人はおりませんでしたので,すごく羨ましいと言いました。)。

 

安全地帯といえば,

玉置さんの繊細かつ圧倒的なボーカル(とても来年還暦をお迎えになるとは思えないほどパワフルでありソウルフルです。現在が一番声が出ているようにも感じます。),

矢萩渉さんと武沢侑昂さんの絶妙でスリリングなツインギター(めちゃくちゃかっこいいんです。私はギターは弾けませんが,口で演奏していました。),

ベースの六土開正さんのマルチプレー(お茶目なキャラですが,渋いです。),

ドラムスの田中さん(姿勢がすごくいいんです。猫背気味の私にとってはすごいと思います。)が刻む骨太なリズムが特徴的です。昨日のコンサートもあらためて「安全地帯はロックバンドである」ことを確認できました。「悲しみにさよなら」(昭和60年,1985年)の歌詞「愛をふたりのために」を「みんなのために」ではなく,「安全地帯のために」と変えてくれた点も唸りました。

投稿者: 弁護士濵門俊也

『君の名は。』大ヒット!ーー「諦観」から「希望」へ

2016.09.26更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 先週9月22日に興行収入100億円を突破し,動員数770万人を超える大ヒットを記録している日本のアニメーション映画があります。その名は『君の名は。』。ニュース報道によりますと,日本の劇場アニメで興業収入が100億円を突破したのは,宮崎駿監督作品以外で初めてのことだそうです。「認識しないで評価するな」という言葉のとおり,まずはこの大ヒット作品を自分の目で確かめるべく映画館へ行きました(事務所近くに「TOHOシネマズ日本橋」といういい映画館があります。)。

 監督は,『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』などの作品で知られる新海誠監督,音楽は若年層を中心に高い人気を誇るRADWIMPSが担当しています(劇中歌が効果的に流されており,非常に心地よかったです。)。そして,プロデューサーを『モテキ』『バケモノの子』『怒り』などのヒット作をプロデュースしてきた川村元気さんが務めています。さらに主人公の一人である立花瀧くんのCVをあてた神木隆之介くんがいれば大ヒット間違いありません(神木くんは『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』にも出演しています。本作の女役の演技も素晴らしかったです。)。

 8月26日に公開されてから約1ヶ月となりますが,映画館はかなり盛況の様子であり,もはや社会現状といってもいいでしょう。劇場に入るとほぼ満席となっており,観ている層も10代20代の若年層だけではなく,老若男女あらゆる世代がおられました(ちなみに,当職は中年層の男性として一人で観に行きました。)。

 新海誠作品といえば,その映像美です。『君の名は。』においても存分に発揮されています。「空」「雲」「光」「闇」「水」「山」「湖」「彗星」などの自然はもちろん,「街」「駅」「電車」「学校」「公園」「カフェ」などの建築物等の描かれ方も緻密で繊細でした。単純に理屈なく「美しい」「綺麗だな」と感じました。また,東京の聖地「新宿」「代々木」「信濃町」「四ツ谷」などはあの場所かなと思いをはせましたし,モデルとなった飛騨高山や諏訪湖などはGWに行ったばかりであったので,感慨深いものがありました。
 ただ,これまでの新海誠作品と比べてもっとも強く感じた点は,「ハッピーエンドに対する素直さ」です。例えば『秒速5センチメートル』におけるなんともほろ苦い結末(幼いころからお互いを思い合っていた男女が,成長とともに様々な差を埋められなくなり,男は現実に敗れ過去の女の幻想にすがり,女は他の男と結婚する等のエピソード)とは,『君の名は。』の結末との間でかなりのギャップがあります。ラストシーンにおける,すれ違う二人がお互いに気づくか気づかないかの結末がそのことを象徴しています(当職もラスト間際に「気付け!」「気付いてくれ!」と素直に念じていました。)。主人公の瀧くんも,もう1人の主人公・宮水三葉ちゃんも,思考を止めることなく智慧をしぼり,運命に抗い,最後の最後まで絶対に諦めない姿勢を貫いていました。
 これまでの新海誠作品には「現実に対する諦観」というものが見え隠れしていました(ここが好き嫌いの分かれるところでしょう。ちなみに,当職はハッピーエンドの方が好きです。まぁ実際は結構ブラックな面も否めませんが)。もちろん,人間はそんなに美しくものではないし,美しい面もあれば醜い面もあります。綺麗ごとばかり並べ立てても胡散臭く感じてしまうかもしれません。しかし,だからといってそこで諦めてしまうのか,「それでも」人間には無限の可能性があり,美しいものであると信じてみたい。新海監督は徹して美しさを描き切ることによって,本作は,人間が素直に感じることのできる「希望」を体現していました。『機動戦士ガンダムUC』に登場するマリーダ・クルスの台詞に「これからどんな現実に直面しても,自分を見失うな“それでも”と言い続けろ」というものがありますが,映画を見ながらマリーダの台詞を思い起こしていました。

 現代社会は閉塞感があるなどと言われて久しいですが,若年層はやはり「希望」を渇望しているのではないでしょうか。そして,若年層だけでなく,あらゆる層の人たちが「希望」を望んでいるはずです。『君の名は。』は1200年周期で訪れるティアマト彗星による災害を扱っています(劇中では1度村が滅びました。)。5年前の東日本大震災,今年4月の熊本地震,その他台風による被害など,我々は1000年の1度の災害の当たり年に生きています。「せめて映画の中くらい希望を見せてほしい」との衆望を『君の名は。』は具現化しているように思います。

 ちなみに,三葉ちゃんが通っていた糸守高校には,別の新海誠作品である『言の葉の庭』に出ていたユキノ先生が登場していました(ちなみにクレジットには「ユキちゃん先生」と記載されていました。)。この時の授業で,カタワレ時(この世ならざるものに出会う時間,黄昏のこと。若干ネタバレとなりますが,「カタワレ時」であったからこそ時空を超えて二人は出会えたのでしょう。劇中のシーンの中でも一番いいシーンの一つです。)の話がされています。
 ユキちゃん先生は,万葉集に出てくる
 「誰そ彼と われをな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つわれそ」(万葉集10巻2240番)
という句を黒板に書き,黄昏の語源について教えていました。黄昏の語源である「誰そ彼」は,「彼は誰だ?」→「君の名は?」と変換でき,作品を象徴するものとなっています(ラストシーンでは「君の名前は?」と言っていました。)。

 

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投稿者: 弁護士濵門俊也

「こち亀」大団円!ーー秋本先生40年間ありがとうございました!

2016.09.20更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 「週刊少年ジャンプ」を代表する人気漫画で「こち亀」の愛称で親しまれる「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が先週末の9月17日に最終回を迎えました。しかも,「週刊少年ジャンプ」と単行本200巻とではエンディングが異なるという粋なはからいもありました。17日発売当日の書店には「週刊少年ジャンプ」と単行本200巻が平積みされており,当職も,多くの人たちが手に触れ,レジに並んでいく光景を目の当たりにしました(かくいう当職も購入するかどうか迷った挙句,結局購入しませんでした。秋本先生,申し訳ありません。)。

 ちなみに,上記「週刊少年ジャンプ」の表紙を飾ったのは最終回を迎えた「こち亀」でしたが,これは「週刊少年ジャンプ」のはからいとしては極めて異例なことです。「週刊少年ジャンプ」は最終回を迎えた作品を表紙にすることはないのです(例外は「SLAM DUNK」だけだと思います。)。これは,「週刊少年ジャンプ」の理念として,常に「これからの作品」を大切にしたいというものがあるからです。「週刊少年ジャンプ」は,いつでも「未来」に向かって作られているのです。

 「こち亀」の連載終了は,作者の秋本治先生が今月3日に神田明神において「こち亀絵巻」の奉納を済まされた後,自ら発表されるという異例の形でした。ネットニュースでその報に接した時は,驚きを禁じ得ませんでした。「こち亀」は1話完結型の漫画ですから,その気になればいつでも終わらせることができる類の漫画です。秋本先生の中では「200巻」を一つの節目と考えておられたのでしょう。実際単行本の厚さが200巻に近づくにしたがって厚くなっています。
 何はともあれ,秋本先生,本当にお疲れ様でした。一ファンとして感謝申し上げます。

 当職は,小学校低学年ころから「週刊少年ジャンプ」を読み始め(最初「ジャンプ」に触れたのは廃品回収の時でした。),綺羅星のような漫画群の一つに「こち亀」がありました。90年代には653万部の歴代最高部数を達成していますが,係る「週刊少年ジャンプ黄金時代」を支えたのも「こち亀」でした。

 「こち亀」の最も驚くべき点は,「連載が1回も休載せずに40年も続いたこと」ではないでしょうか(作者が取材や体調不良のために休載することが通常のなかで,これは驚異的です。しかも秋本先生は「こち亀」以外にも連載をお持ちです。)。「こち亀」は当初ギャグ漫画として開始されました。一般的に「ギャグ漫画は短命」といわれているところですが,上記の事実は,「こち亀」が単なるギャグ漫画ではないことの証左といえましょう。

 「こち亀」の魅力といえば主人公である両さんこと両津勘吉ですが,連載当時の両さんは,天丼を盗み食いした猫に銃を乱射したり,道を聞く民間人に対し怒って追い返したりする乱暴者の側面もありました(そういえば,「元祖天才バカボン」に登場する本官さんも銃を乱射していました。現在では法令遵守の観点から描くことは難しいでしょう。)。
 しかし,現在の両さんのキャラは,乱暴者というイメージはありません。両さんは江戸っ子よろしく困っている人を助けたり,曲がったことは大嫌いで筋を通します。人を容姿などで差別しないし,下町の人々ともオープンに交流しています。しばしば掲載されていた「人情噺」は結構泣ける話が多かったですし,とくに両さんの子ども時代のノスタルジックなエピソードは,「昭和の東京の郷土史」という深みさえ与えています(ちなみに,当職的には両さんの欲望の赴くままに生命力豊かな姿が好きでしたし,はちゃめちゃで時代を少し先取るエピソードが好きでした。)。

 両さんの主人公としての魅力に加え,「こち亀」には「マニアックな情報が半端ない量」ありました(小ネタの数々は少年の心を鷲掴みしました。)。たとえば,両さんの後輩である中川圭一は自動車のコレクターのため,初期は迫力あるカーチェイスも当たり前で,描写も緻密でした(この点だけとってみても「こち亀」は単なるギャグ漫画ではありません。)。飛行機や戦車など兵器やオタク心を刺激する数々のメカには心躍りました。
 秋本先生のマニアックさは,やがて「ホビー」の分野に向けられていきました。サバイバルゲームなどアウトドアから切手やフィギュア,そしてゲームやパソコンといったインドアに移行し,果ては「艦これ」などの紹介もするにいたりました(新しすぎます。秋本先生のアンテナは敏感ですね。)。
 情報量の多さは,数々のマニアックなサブキャラクターを登場させました。シリアスながら抜けたところもある「星 逃田(ほし とうでん)」や,世界の戦場を渡り歩いたために日常でも重火器を持ち歩く「ボルボ西郷」,超エリートだが顔の怖い「凄苦 残念(すごく ざんねん,旧名・法条正義)」などなど。これら濃い顔ぶれが「たまに出る」のに記憶には残っています。キャラの層がぶ厚すぎます。
さらに,秋本先生の生み出したキャラクターの中でも「女性キャラクターの充実」という点を見逃すことができません(比較的強めの女性が多いような気がします。)。「マリアこと麻里 愛」(登場時は男性でしたが,後に女性となりました。)とや「磯鷲 早矢(いそわし はや)」らのヒロインたちは女性キャラに活躍の場を増やしましたし,両さんの新たな魅力も引き出し,「こち亀」にさらなる奥行きを加えました。

 そうした方向の到達点の一つが「擬宝珠(ぎぼし)家」の人々といえるでしょう。両さんと結婚話まで持ち上がった「纏(まとい)」,その妹で幼稚園児の「檸檬(れもん)」,祖母で一家を束ねる「夏春都(げぱると)」は個性派ぞろい。自由気ままな独身生活を続ける両さんが疑似的とはいえますがいわゆる「家族ドラマ」の中に置かれることによって,何でもありの「こち亀」の幅をさらに広げていきました。

 「こち亀」がただギャグだけに徹していたなら,「週刊少年ジャンプ」という苛烈な戦場において,ここまでの長期連載を勝ち取ることは難しかったような気がします。非日常を描き切ることで何ともいえない爽快感が得られましたし,豊富な雑学ネタ,ハイテクやホビー,人情噺や家族といった要素を貪欲に取り込むことによって,秋本先生は「長期連載に耐え得るシステム」を構築されていかれたと思います。40年もの歳月,ゆうに親子2世代を超えた支持を勝ち得たことはまさに漫画界の金字塔といえます。
 ちなみに,両さんは有給を消費されるとのことですが,おそらく有給は残っておらず,すでに使い果たしていることでしょう。

投稿者: 弁護士濵門俊也

8月22日――リオ五輪閉会式と『対馬丸事件』

2016.08.22更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 平和の祭典・リオデジャネイロオリンピックは8月21日夜(日本時間22日午前),マラカナン競技場で閉会式を迎えました。
 約10分間にわたる,次期開催都市の東京をPRする映像やパフォーマンスでは,大トリに安倍晋三首相がサプライズで登場しました。安倍首相は,「クールジャパン」の代表として世界でも人気のキャラクター・スーパーマリオに扮して登場しました。マリオに「変身」した安倍首相が,国会から車やドリルを使って,日本から見て地球の裏側にあるリオに向かおうとする様子が,映像化されました(ネット上では「どうしてポケモンではなかったのか」などと話題となっていますが,リオ(Rio)だけにマリオ(MARIO)は外せなかったのでしょう。)。

 平和の祭典の閉会式の日が,「対馬丸事件」の日であることは,単なる偶然ではないと思います。いまから72年前の1944年(昭和19年)8月22日,沖縄からの疎開学童約800人を乗せた日本の貨物船「対馬丸」が,長崎に向かう途中に,米国の潜水艦「ボーフィン号」によって撃沈されました。
 当時,対馬丸には「学童を含め約1800人が乗っていた」とされていますが,そのうち生存者はわずか280人程度,うち学童疎開者は60人ほどでした。
 乗船していた児童のほとんどが命を落とした「対馬丸事件」は,いまなお語り継がれている「戦争の悲劇」のひとつです。『対馬丸―さようなら沖縄』というアニメーション作品もありますので,興味をもたれた方は探してみてください。
 命をつないだ人の中には,米国の潜水艦の魚雷が命中した「対馬丸」から海に飛び込んだ昭和19年8月22日を「もう一つの誕生日」と心に刻む方もおられます。命をつなぐことができたことに対する感謝の念でしょう。その一方で,犠牲者の親きょうだいと顔を合わせる慰霊祭への参列を頑として避けてきた方もおられます。「助かった後ろめたさは,一生消えないんだ」という苦悶が続くのでしょう。

 人間は「生きている」と思いがちですが,傲慢かもしれません。当職は「生かされている」のではないかと考えています。人間は生老病死から逃れることはできませんが,「価値ある人生」を送るべく精進したいものです。

投稿者: 弁護士濵門俊也

「おそ松さん」最終回!視聴率はなんと自己最高の3.0%!

2016.03.29更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 なぜか女性ファンを獲得する(理由は分からなくはないですが)など大ブームを巻き起こしているテレビ東京のアニメ「おそ松さん」(月曜深夜1時35分)の最終回(第25話)が深夜に放送されました。最終回の内容は,松野家が謎の“センバツ”大会に挑む…という展開でした(パロディ満載で拾うのが大変でした。)。

 その視聴率がなんと3.0%(ビデオリサーチ調べ,関東地区)!これは番組自己最高記録であったそうです。その視聴者のひとりに当職も含まれるわけですが,まさに有終の美を飾ったといえましょう。

 

 「おそ松さん」は,ギャグ漫画の巨匠・赤塚不二夫先生の生誕80周年を記念し,赤塚先生の代表作のひとつである「おそ松くん」を27年ぶりにアニメ化したものです。六つ子が成長し,大人になった姿(二ートで童貞という設定でした。)を描きました。

 「おそ松さん」自体は昨年10月にスタートしており,イヤミやチビ太,とと子,デカパン,ハタ坊(ミスターフラッグ),ダヨーン(THE怪人)など,おなじみのキャラクターも続々と登場しました。原作のもつ型破りな魅力やナンセンスを生かしつつ,深夜帯ならではのブラックユーモアや下ネタ,時事ネタ,やりすぎ感のあるパロディを盛り込み,視聴者の笑いを誘ってくれました。

 当職の分析では,人気を誘った理由のひとつとして,六つ子に個性を与えた点があげられると思います。とくにCVをあてたその豪華な声優陣です。おそ松役を櫻井孝宏さん,カラ松役を中村悠一さん,チョロ松役を神谷浩史さん,一松役を福山潤さん,十四松役を小野大輔さん,トド松役を入野自由さんと,それぞれがメインを張れるいわゆるイケメン人気声優が担当しました(実は,脇役の声優陣もかなり豪華でして,「プチ銀河声優伝説」といっても過言ではありません。)。

 キャラ付けもそれぞれ兄弟の何番目かによって「それらしい」ものとなっており(当職もしっかり覚えました。),アニメーション技術の向上によりキャラの書き分けもできますから(赤塚先生の原作を見ますと,単にコピペしているコマも結構多いことが分かります。),六つ子の中の1人に心を奪われ「推し松」と呼んで応援する女性が続出したのもうなづけます。

 

 番組終了によって,月曜深夜の楽しみがひとつ減ることとなりました(結構気に入っていた第2クールOP・A応Pの「全力バタンキュー」も聴けなくなります。)。意味もなく訳もなくただただ笑い続けることのできることは本当に幸福なことであると実感します。

 

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投稿者: 弁護士濵門俊也

「万里一空(万理一空)」の境地を求めて!ー琴奨菊関,優勝おめでとう!

2016.01.26更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士・濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 一昨日行われた大相撲初場所において,琴奨菊関が悲願の初優勝を果たしました。日本出身の日本人力士としては元大関・栃東関以来10年ぶりとなる快挙でした。本当におめでとうございます。

 琴奨菊関のこれまでの道のりは決して平らな道ではありませんでした。何度も怪我に泣かされ,大関陥落の危機(いわゆる「カド番」)も5度を数えます。他方で,今場所は「10年ぶりの日本出身力士の優勝か?!」と囁かれていましたから,プレッシャーは半端なかったでしょう。

 しかし,そんな苦闘の過去や重圧をはねのけて,賜杯をつかんだわけです。

 もはや感動しかありません。

 琴奨菊関が2011年9月,大関昇進の伝達式で述べた口上が,「万里一空(万理一空)の境地を求めて日々努力,精進いたします」でした。

 「万里一空」という言葉は,もともとは,宮本武蔵の『五輪書』に登場する「山水三千世界を万里一空に入れ,満天地とも攬る」という一節に由来します。「世界はどこまでいっても空は一つ」「すべてのものは一つの世界に留まっている」という考え方です。「動揺せず,常に冷静な気持ちで事に当たる」「一つの目標に向かって精進する」などの意味として解釈されます。

 琴奨菊はこの言葉の意味について,「すべての理(ことわり)は一つの空(くう)に帰する。どんな努力も,目指す先は一つ。目標を見失うことなく努力する」と説明されています。このことから,一部報道では五輪書で書かれている「万里一空」(「り」が「里」)ではなく,「万理一空」(「り」が「理」)と表記しているものが多いのです。

 この言葉通り,琴奨菊関は,今場所,自分の目指す相撲に徹しました。低く,鋭い立ち合いで相手の懐に入り,得意のがぶり寄りで,アッという間に土俵際へ追い込む。反撃の隙すら与えない一気呵成の攻めが光りました。

 心もぶれはありませんでした。11日目に横綱・白鵬関を倒した後,「自分を信じてできた」とインタビューに答え,残りの土俵も「ぶれたら終わり」と戒めておられました。

 琴奨菊関は,大阪府立体育会館で開催される春場所(3月13日初日)で,初の綱取りに挑みます。32歳を目前にして「心技体」が揃った琴奨菊関の活躍を祈ります。 

 

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