PCR検査陽性者は新型コロナウイルス感染者なのか?!
2022.01.21更新
こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。
本日(令和4年1月21日)16時46分配信のニュース報道によりますと「新型コロナ 東京都で新たに9699人の感染確認」とのリード文に「過去最多東京都で,今日新たに9699人が新型コロナウイルスに感染していることがわかった。」とのことでした。
すでに2年以上も連日この種の報道に接しているわけですが,いつも違和感をもつのは,私だけでしょうか。
私の違和感は,メディアは「陽性者」と「感染者」が混同されて使用している点にあります。前述の報道もそうですが,ニュース報道等で「新規感染者数」として示される数字ですが,実は厚生労働省や東京都のホームページでは「陽性者」として公表されている数字なのです。この点を正確に報道していないのは何か考えがあるのでしょうか。とくに,情報弱者とされる方々には不安を感じさせるだけではないのかといぶかってしまいます。
「陽性者」の中には無症状の方も大勢いらっしゃいます。ただ,この方々について,厳密にいいますと「感染者」ではないのです。普通の風邪や季節性のインフルエンザも同じなのですが,ウイルスが体内に侵入し,増殖して初めて「感染」が成立するといわれています。人間(ヒト)には外敵から身を守る「免疫機能」がありますので,仮にウイルスを吸入したとしても必ず感染するわけではないのです。しかし新型コロナの診断に用いられるPCR検査は,粘膜にウイルスが数個でも付着していれば「陽性」になることがあるそうなのです。
保健所においては,陽性者との濃厚接触者を割り出し,無症状者でもPCR検査を行っています。陽性者が増えている現在,その数はかなり増えているそうです。
これだけ市中感染が広まってくると,「陽性者」の増加は止めようがないと個人的には考えています。重要なのは拡散リスクが高く,入院を要するような「感染者」を増やさないことではないでしょうか。そのことが医療供給体制の維持に繋がります。ちなみに,一向に医療体制の拡充を図ろうとしないのはよく分かりません。
本当に知りたい情報は,現在公表されている「陽性者」の中にどれだけの「感染者」が含まれるのかという点です。情報操作をしていないといいのですが…。
また,「無症状陽性者」と「感染者」の対応についても分けて考えた方がいい時期になっているのではないでしょうか。現在は一人でも「陽性者」が出ると,会社や学校等で過剰な反応をしているところが多いように感じます。「感染者」が出た場合はこれまでどおり慎重な対応が必要と思いますが,「無症状陽性者」の場合はより慎重な感染対策を行っていれば,その他は通常通りの営業や授業を継続していいと思います(あくまでも個人的な意見です。)。
童謡『チューリップ』の歌詞をもじって
「(過去)さいた(最多) (過去)さいた(最多) チューリップの花が」
「ならんだ(並んだ) こえた(超えた)」
と歌っているユーチューバーの方がおられます。これはマスメディアの報道のあり様を皮肉っているわけです。
私もでき得るかぎり,正確な情報を伝えてもらいたい,報道しない自由など行使してほしくないと日々考えています。
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ハズレの福袋、返品できないの? 今年も「鬱袋」に悲鳴あがる
2022.01.07更新
こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。
新年の楽しみのひとつといえば「福袋」です。主に、販売店がいろいろな商品を詰め込み、実際の合計額よりも安く販売しています。あらかじめ中身を明かしておくものもありますが、中身がわからないものが主流となっています。
そのため、充実したラインナップの商品をお得にゲットできることもあれば、その中身のあまりのひどさに落胆することもあります。
「ハズレの福袋」を意味する「鬱袋」というネットスラングがあり、ツイッターなどのSNSでは、その中身の写真をアップする人が少なくありません。
この年始にも、「福袋買ったらなぜか変な物が届いたよ〜。返品したい」とTシャツの写真を投稿した人や、ゲームソフト(5本中「モンスターハンター」3本、「がんばる私の家計ダイアリー」2本)の写真をアップし、「鬱袋を買った」と報告した人がいます。
中身が気に入らず、期待に沿わなかったという理由でも、福袋の返品はできるのでしょうか。
●原則として、返品・交換は認められない
もともと、「返品・交換は不可」という前提で購入するものですから、たとえ袋の中身が「鬱袋」(ちなみに、秋葉原では年中「鬱袋」が売られているお店があります。)だったとしても、法律的には、動機の錯誤にすぎず、売買契約としては有効となります。
よって、原則として、返品・交換は認められないです。
もちろん、明らかに袋の表示と中身に著しい食い違いがあった場合は、例外があり得ると思います。たとえば、アパレルショップで「サイズL」として販売していた福袋の中身が「サイズS」であったとか、明らかに商品に傷があったり、設定されていた数量に満たないなど、販売側の瑕疵が認められる場合は返品できる可能性があります。
●「◯◯円相当」なのに、合計額が満たされていない!
また、「◯◯円相当」として売っていた福袋の中身の合計額が満たない場合も、返品が認められると考えられるのですが、「◯◯円相当」というのが曲者です。
つまり、「◯◯円相当」という値段が、時価なのか、メーカー小売価格なのか、卸値なのか、何を物差しにしているかによるからです。当事者の合理的な意思として、どの程度の金額を想定していたかを探る必要もあるでしょう。ケースバイケースだと思います。
ただ、「鬱袋」であったとしても、あまり気に病む必要はありません。友人・知人と共同購入してトレードしあい、交流を深めたり、フリマアプリでお小遣い稼ぎもできます。変なところで運を使わなくてよかった、と前向きにとらえることもできるでしょう。
福袋の中身が何であろうと、一喜一憂せず、新たな年の出発としたほうがよいかもしれませんね。
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