弁護士 濵門俊也
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沖縄「慰霊の日」に思うー『沖縄の不都合な真実』を読み終えて

沖縄「慰霊の日」に思うー『沖縄の不都合な真実』を読み終えて

2015/06/24

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

昨日(平成27年6月23日)は,沖縄「慰霊の日」でした。この「慰霊の日」は,昭和20年(1945年)6月23日,沖縄戦の組織的戦闘が終結したことにちなみ,琉球政府[昭和27年(1952年)-昭和47年(1972年)]及び沖縄県が定めた記念日です。

 

当職は,沖縄返還(日本の法令用語としては「沖縄の復帰」といいます。)の日である5月15日(返還された日は,昭和47年(1972年)5月15日です。)と「慰霊の日」には,沖縄に思いを馳せるようにしています。

先ほど,裁判所で,大久保潤・篠原章共著『沖縄の不都合な真実』(新潮新書,2015年)を読み終えました。この本は,現在ベストセラーとなっており,発売以来注目していた本ですが,期待を裏切らない充実した内容の書籍でした。

詳細な内容は割愛しますが,ブックカバーにはつぎのような記述があります。

 

【以下,引用始め】

「こじれにこじれる沖縄の基地問題の本質はどこにあるのか。見据えるべきは『カネと利権』の構造である。巨額の振興予算を巡り,繰り返される日本政府と県の茶番劇。この構図が変わらない限り,問題は解決できない。公務員が君臨する階級社会,全国ワーストの暮らしに喘ぐ人々,異論を封じ込める言論空間等々,隠された現実を炙り出す。党派を問わず,沖縄問題の『解』を考えていく上で必読の書。」

【以上,引用終わり】

 

 

上記書籍は,元防衛事務次官であった守屋武昌さんが書かれた『「普天間」交渉秘録』(新潮文庫,2012年)を読んだ時以来の衝撃を受けました(この本は,「普天間問題」の深層を,当事者ならではの視点で描く第一級の資料と言っても過言ではありません。沖縄基地問題に関心のある方は必読の書です。)。

上記書籍のタイトルは「沖縄」となっておりますが,著者ら自身も述べておられるように,上記書籍は決して「沖縄批判」の書ではありません。既得権益を守る公務員を中心とした「沖縄の支配階級批判」,民族主義的な沖縄権力への批判をされているのです。

 

沖縄問題(基地問題に限りません。上記書籍にも複数の問題に言及されています。)は,そうやすやすと「解」が出せる問題ではありません。

しかし,思考を止めてはなりません。まずはしっかりと事実を認識し,多角的な視点から評価する姿勢が大事であると思います。当職は,引き続き沖縄問題の「解」を求めていきたいと思います。

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