「弟が弁護士を立て、過去のあら探しをしてきた。このままだと、遺産の取り分が少なくなりそう」
【ご相談内容】
ご依頼者は、二人兄弟の兄側。
先日、ご両親が亡くなり相続を開始したものの、弟側が「兄さんは、大学の学費を援助してもらっていたじゃないか」など、自分が有利になる状況を主張してきた。返事に困っていたところ、調停を起こされ、弁護士の受任通知が届いた。
【当職の対応】
大学の学費は「扶養」の範囲であり、要求に応じる必要のないことをご説明いたしました。さらに細かく調べていくと、弟側にも金銭的援助が行われていたことが発覚。ご依頼者と、新たな遺産分割案を作成し、相手側弁護士と協議を進めることになりました。
【結果】
生前に受けていた特別受益については、双方で争わないことを合意。また、弟側は実家を受け継ぐ代わりに代償金を支払い、預貯金についてはすべてご依頼者が取得するという形で解決した。
【ポイント】
相手方に弁護士が付いたからといって、その言い分がすべて正しいとは限りません。現在の資産に限らず、過去の経緯をすべて追った上で、正しい評価を行うことが求められます。
また、不動産を共有していても、使い道に困る場面があるでしょう。今回のケースでは、弟側に単独所有を認めた上で、法定相続分を越える評価額を現金で調整することとしました。