心を壊る(やぶる)能わず(あたわず)--「創造的復興」を目指して
2017/04/14
こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。
熊本は当職の故郷です。本日(平成29年4月14日)は,熊本,大分両県をはじめ九州全域まで揺らした熊本地震の発生から1年となります。まずは被災された方々にお見舞い申し上げます。平成28年4月14日の夜には前震が,16日未明には本震がそれぞれ襲いました。
いずれも最大震度7を観測しました。地震は本震から余震を経て終息へ向かうと思われていましたが,そうした「常識」は覆されました。難攻不落の熊本城が損壊し,火の国の象徴・阿蘇にかかる阿蘇大橋は崩落してしまいました。
痛ましい災害の爪痕は生々しく残ったままです。仮設住宅などで避難生活を送る人は今なお4万7000人余りに及ぶそうです。被災者にとって震災は現在も進行形というわけです。
熊本地震の経験からどんな教訓を学び,復旧・復興にどう取り組んでいけばよいのでしょうか。熊本・大分はもちろん,九州さらにわが国全体として検討しなければならない課題であると思います。
●「創造的復興」を目指して
熊本県は昨年8月,「おおむね4年後のほぼ完全な復興」を打ち出しました。スローガンは「創造的復興」。単に「元に戻す」のではなく,被災前よりも発展した故郷の再生を目指すものです。
阪神・淡路大震災を経て東日本大震災でも掲げられた理念です。創造的復興は直ちに実感できるものではないかもしれませんが,不断の努力を怠ってはなりません。
報道等で接する映像や画像をみますと,まだまだ現状は被災者の多くが復興を実感できるには程遠いように見受けられます。目の前の生活への対応で手いっぱいという段階かもしれません。
災害によっても心まで壊されるものではありません。鎌倉時代に登場した法華経の行者・日蓮は「守護国家論」という遺文のなかで涅槃経を引用され,たとえ災難に遭ったとしても「心を壊る(やぶる)能わず(あたわず)」と述べられています。どこまでも被災者に寄り添い,励ましを贈り,「心の創造的復興」を成し遂げていかなくてはなりません。
道のりは長く険しくとも,がまだしましょう。オールジャパンの総力を結集して「実感できる創造的復興」を断固実現しましょう。
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弁護士 濵門俊也
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