『星落秋風五丈原』の諸葛亮に想いを馳せるー木枯らし1号を受けて
2015/10/26
こんにちは。日本橋人形町の弁護士・濵門俊也(はまかど・としや)です。
気象庁は令和5年11月13日、東京で冬の訪れを告げる「木枯らし1号」を観測したと発表しました。
気象庁によりますと、東京で木枯らし1号が観測されたのは、3年ぶりのことだそうです。
木枯らしが吹きますと、当職は小泉今日子さんの名曲『木枯らしに抱かれて』(作詞・作曲は高見沢俊彦さんです。)を思い出すとともに、『星落秋風五丈原』(ほしおつしゅうふうごじょうげん)を思い出します。
『星落秋風五丈原』は、土井晩翠による新体詩であり、明治31年(1898)に発表された長編叙事詩です。
七章349行に構成されており、諸葛亮孔明が五丈原に病没するまでの生涯を描き、その忠義を謳歌しています。正に晩翠の最高傑作であり、発表された当時は広く暗誦されたといわれています。作者不詳の歌もありますね。
祁山(きざん)悲秋の 風更けて 陣雲暗し 五丈原
零露(れいろ)の文(あや)は 繁くして 草枯れ馬は 肥ゆれども
蜀軍の旗 光無く 鼓角(こかく)の音も 今しづか
丞相(じょうしょう)病 あつかりき
『三国志演義』のクライマックスシーンである諸葛亮の最期の場面。天に叫び、地に悲しむ、諸葛亮の痛烈な叫びが聞こえてきてなりません。
それは、塗炭の苦しみにあえぐ民衆を救わんとする、まことの使命を自覚した者の責務と辛さといえましょう。諸葛亮の命は風前のともしび。蜀軍は勝ち目なく敗色濃厚。しかし、このままで今、死ななくてはならない。この時の諸葛亮の無念が、今日(こんにち)も生きつづけています。
嗚呼五丈原 秋の夜半 あらしは叫び 露は泣き
銀漢(ぎんかん)清く 星高く 神祕の色に つゝまれて
天地微かに 光るとき 無量の思 齎(もた)らして
「無限の淵」に 立てる見よ 功名いづれ 夢のあと
消えざるものは たゞ誠 心を盡し 身を致し
成否を天に 委(ゆだ)ねては 魂遠く 離れゆく
高き尊き たぐいなき 「悲運」を君よ 天に謝せ
青史の照らし 見るところ 管仲樂毅 たそや彼
伊呂の伯仲 眺むれば 「萬古の霄(そら)の 一羽毛」
千仭翔(かく)る 鳳(ほう)の影 草廬にありて 龍と臥し
四海に出でゝ 龍と飛ぶ 千載の末 今も尚
名はかんばしき 諸葛亮
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弁護士 濵門俊也
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