「万里一空(万理一空)」の境地を求めて!ー琴奨菊関,優勝おめでとう!
2016/01/26
こんにちは。日本橋人形町の弁護士・濵門俊也(はまかど・としや)です。
一昨日行われた大相撲初場所において,琴奨菊関が悲願の初優勝を果たしました。日本出身の日本人力士としては元大関・栃東関以来10年ぶりとなる快挙でした。本当におめでとうございます。
琴奨菊関のこれまでの道のりは決して平らな道ではありませんでした。何度も怪我に泣かされ,大関陥落の危機(いわゆる「カド番」)も5度を数えます。他方で,今場所は「10年ぶりの日本出身力士の優勝か?!」と囁かれていましたから,プレッシャーは半端なかったでしょう。
しかし,そんな苦闘の過去や重圧をはねのけて,賜杯をつかんだわけです。
もはや感動しかありません。
琴奨菊関が2011年9月,大関昇進の伝達式で述べた口上が,「万里一空(万理一空)の境地を求めて日々努力,精進いたします」でした。
「万里一空」という言葉は,もともとは,宮本武蔵の『五輪書』に登場する「山水三千世界を万里一空に入れ,満天地とも攬る」という一節に由来します。「世界はどこまでいっても空は一つ」「すべてのものは一つの世界に留まっている」という考え方です。「動揺せず,常に冷静な気持ちで事に当たる」「一つの目標に向かって精進する」などの意味として解釈されます。
琴奨菊はこの言葉の意味について,「すべての理(ことわり)は一つの空(くう)に帰する。どんな努力も,目指す先は一つ。目標を見失うことなく努力する」と説明されています。このことから,一部報道では五輪書で書かれている「万里一空」(「り」が「里」)ではなく,「万理一空」(「り」が「理」)と表記しているものが多いのです。
この言葉通り,琴奨菊関は,今場所,自分の目指す相撲に徹しました。低く,鋭い立ち合いで相手の懐に入り,得意のがぶり寄りで,アッという間に土俵際へ追い込む。反撃の隙すら与えない一気呵成の攻めが光りました。
心もぶれはありませんでした。11日目に横綱・白鵬関を倒した後,「自分を信じてできた」とインタビューに答え,残りの土俵も「ぶれたら終わり」と戒めておられました。
琴奨菊関は,大阪府立体育会館で開催される春場所(3月13日初日)で,初の綱取りに挑みます。32歳を目前にして「心技体」が揃った琴奨菊関の活躍を祈ります。
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