同性カップルの準婚関係も法的保護に値する
2021/03/25
こんにちは。日本橋人形町の弁護士・濵門俊也(はまかどとしや)です。
事実婚関係にあった同性カップルのパートナーの不貞行為が原因で破局をしたとして,女性が元パートナーに対し,損害賠償請求した訴訟において,最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は,元パートナー側の上告を棄却する決定を下しました(令和3年3月17日付け)。これにより,元パートナーに110万円の損害賠償請求を認めた第一審,第二審判決が確定したこととなります。
第二審の東京高裁は,2020年3月,「元カップルは民法上の不法行為に関し,互いに婚姻に準ずる関係から生じる法律上保護される利益を有する」と認定しました。同性カップルが婚姻関係に準ずる関係にあったと認定し,損害賠償請求を認める判断が最高裁で確定するのは初めてのようです。
第一審宇都宮地裁真岡支部は,2019年9月,婚姻を男女間に限る必然性があるとは断じ難い状況にあり,同性カップルにも一定の法的保護を与える必要性は高いと指摘しています。「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」とする憲法24条について,「同性婚を否定する趣旨とまでは解されない」とも言及しました。
その上で,2人が約7年間同居し,米ニューヨーク州で婚姻登録証明書を取得しており,日本国内で結婚式も挙げたことなどから,「内縁関係(事実婚)と同一視できる生活関係にあり,法的保護に値する利益が認められる」として慰謝料などの支払いを命じました。
【過去参考ブログ】
https://hamakado-law.jp/blog/news/443/
http://www.rikon-hamakadolaw.jp/blog/blog01/2019/09/
昨年3月の二審東京高裁判決は,さらに踏み込み,「(2人は)婚姻に準ずる関係にあった」と認定しました。憲法の解釈には触れませんでしたが,第一審同様に損害賠償請求を認めました。
同性婚を認めないことが憲法14条に反するとした札幌地裁と同じ日に上記決定が下されたのは偶然とは思えません。ようやく司法が動きました。果たして山は動くでしょうか。
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弁護士 濵門俊也
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