弁護士 濵門俊也
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今日は長崎の原爆の日-平和への誓いを祈りを込めて記事を書く

今日は長崎の原爆の日-平和への誓いを祈りを込めて記事を書く

2023/08/09

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 昭和20年(1945年)8月9日。長崎に落とされた原始爆弾が7万人以上の市井の人々の生命を奪いました。その日から78年。いまだ世界平和とは程遠い状況であり、現に戦争をしている国々もあります。その戦争ではあろうことか戦略核の使用も視野に入れているとの報道もあり、気が気ではありません。

 さて、「原子爆弾の父」と呼ばれるアメリカの物理学者の生涯を描いた映画『オッペンハイマー』。今のところ我が国での公開は未定のようですが、当職の個人的意見を述べれば、逃げてはいけないと考えています。欠番となっている『ウルトラセブン』第12話のようなことになってはなりません(ちなみに、当職はウルトラセブン第12話を視聴したことがありますが、話自体はとくに問題はないと思いました。)。

 

 原爆死没者慰霊碑(正式な名称は「広島平和都市記念碑」ですが、通称の「原爆死没者慰霊碑」としてよく知られています。)の石室前面に次のような文章が刻まれています。

 

  『安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませぬから』

 

 この英訳は次のとおりです。

 『Let all the souls here rest in peace ; For we shall not repeat the evil.』

 

 ご自身も被爆者であった雑賀忠義広島大学教授が、英訳も含めてこれを撰文・揮毫しています。そこには、「この碑の前にぬかずく一人一人が過失の責任の一端をにない、犠牲者にわび、再び過ちを繰返さぬように深く心に誓うことのみが、ただ一つの平和への道であり、犠牲者へのこよなき手向けとなる」という広島の父・浜井信三広島市長の見解が汲み入れられています。

 

 上記文章をめぐって論争が繰り広げられたことはよく知られています。「過ち」は誰が犯したものなのかとか、原爆を投下したのは米国であるのに、その責任を明確にしていないとか、被爆者がなぜ自責の念を表明しなければならないのかとか、「繰り返させませぬから」の方が適切ではないのか、等々の異論・反論が寄せられていました。

 これらを踏まえ、広島市は、碑文の趣旨を「碑文はすべての人びとが原爆犠牲者の冥福を祈り戦争という過ちを再び繰り返さないことを誓う言葉である。過去の悲しみに耐え憎しみを乗り越えて全人類の共存と繁栄を願い真の世界平和の実現を祈念するヒロシマの心がここに刻まれている」として、昭和58年(1983年)に日・英語で、平成20年(2008年)から8つの言語による説明板を設置しています。

 

 さて、碑文のニュアンスをうまく伝える英語ならではの表現としては、つぎの文章が知られています。

 『No more Hiroshimas, no more Nagasakis!』

 

 有名な「ラッセル・アインシュタイン宣言」の一節には、「私たちは、人類として、人類にむかって訴える――あなたがたの人間性を心にとどめ、そしてその他のことを忘れよ、と」(『核の傘に覆われた世界』久野収編、平凡社)とあります。

 原爆投下から78年を迎えた現在でも、「核兵器は安全保障の確保に有効だとする“神話”」が生き続けています。もう“神話”の時代は終わらせなければなりません。

 日本国は、「唯一」の戦争被ばく国(「最初」の被ばく国ではなく、「唯一」の被ばく国にしなければなりません。)であり、第五福竜丸も米軍の水爆実験によって被ばくしました。そればかりか、東日本大震災では、原発事故により、4度も放射線の恐怖に曝された国であることを忘れてはなりません。そして、日本国は、もう二度と人類を核の脅威に曝してはならないと宣言していくべき責務があります。

 核兵器の使用はいかなる理由があっても許されぬ「絶対悪」であるとの精神を今一度、78回目の原爆の日にあらためて確認したいと思います。

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弁護士 濵門俊也
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